脂肪を取ってすっきりさせたい部分がある人や
異物を入れるのに抵抗感のある人の場合に行います。
脂肪注入法による豊胸術は、脂肪吸引の技術を応用し、ふとももやおなか等の痩身と同時に、吸引した自分の脂肪を用いてバストアップを図るというものです。
「下半身は太いが胸は小さい」あるいは、「バッグ等の人工のものを使用するのは抵抗がある」という方に適した方法です。
脂肪吸引と同時に行いますので、プロポーションバランスを改善するという意味において、まさに一石二鳥の手術といえます。
カウンセリングでは、手術内容及び手術後の経過や注意事項について
説明します。
さらに身長・体重・脂肪率の測定や吸引予定部位の触診によって
取れそうな脂肪の量を推測します。
当院では、注入の際、1ヶ所からではなく、何ヶ所もの部位から少量ずつ分散して注入していきます。
これは、注入した脂肪に血行がつきやすくするためと、大きなかたまりになったり、しこりになったりするのを防ぐためです。
手術の結果は、とれる脂肪の量によって大きく変わってきます。
1回で十分な量がとれない場合は、2回、3回別の部分から吸引して
追加注入することもできます。




これが1番大きな要素ですが、当院で1回に注入している
平均的な量が130~150cc位です。
過去に注入した例で最も少なかったのが40ccで、
多かったのが360ccです。
130~150ccですと半カップ位のふくらみが得られることが多いですが、
1カップサイズアップするには300cc以上、2カップサイズアップするには600cc以上は必要だと思われます。
同じ量の脂肪を注入しても、残りやすい人と残りにくい人があります。
この原因の1つとしては、注入する脂肪の質の違いが考えられます。
実際に吸引した脂肪の水分を濾す際に、その質の違いがわかります。
水分を多く含んだシャブシャブの脂肪は生着しにくいように思います。
また、脂肪の粒(脂肪細胞が結合組織で固まっていて
肉眼的に粒状に見える)の大きいものや小さいもの、線維質の多いものや少ないものなど様々です。
経験上、きめが細かく、線維質が少ない、ねっとりした感じの脂肪が生着しやすいように思います。
脂肪の残りやすい人と残りにくい人のもう1つの原因は、
バストの血行の違いにあると思います。
当院では、バストの皮下に注射器で少量ずつ分散して注入し、
マッサージをして十分脂肪をのばして、
組織になじませるようにしています。
これは、脂肪が固まってシコリになるのを防ぐのと、血行をつきやすくして生着率を高めるためです。
脂肪の生着率を上げるためにPRP(自己多血小板血漿)を
脂肪に混ぜて注入する試みを始めました。
血小板には、凝固因子以外に、PDGF、EGF、VEGF、TGF-α等の成長因子が含まれています。
それらの成長因子には、細胞の増殖や血管の新生・再生、さらにコラーゲンやヒアルロン酸の産生、また創傷治癒の促進などの働きがあります。
遠心分離機によって濃縮されたPRPには通常の2~7倍の
血小板が含まれています。
当然、成長因子もそれだけ多く放出され、それらの成長因子が脂肪幹細胞に働きかけて脂肪細胞の増殖や血管の新生を促進させ、脂肪の生着率を高めてくれるのではないかと考えています。
1回の手術でボリュームアップする量は人によって様々です。
体型や脂肪率、注入した脂肪の量、質、バストの状態によって
異なってきます。
注入した脂肪の10~50%位が生着するのではないかと思われますが、今までの経験からすると30%位の生着の人が多いように思います。